
プテロスチルベン(Pterostilbene)は、自然界に存在する物質で、抗酸化物質としてブルーベリーなどに含まれる。レスベラトロールのような他のスチルベンと比べて、吸収されやすく生体効率が良い。プテロスチルベンに関して多くの研究があり、in vitroとin vivoの両方で抗酸化活性が証明されている。抗炎症作用や抗がん活性、コレステロール低下作用、認知機能の改善を示唆する研究結果もみられる。
プテロスチルベンはサプリメントでも販売されており、投与量は250mg/日までが安全とされている。
抗がん作用の研究
プテロスチルベンはがん予防の一助となるかもしれない。試験管でのin-vitro研究では、プテロスチルベンはがん細胞のアポトーシスを促し、抗がん剤であるタモキシフェンの効果を高めた。しかし、悪性黒色腫に対する研究では、経口投与によるその効果の限界もみられた。
心機能改善効果
試験管研究と動物実験で、プテロスチルベンが心機能を改善する可能性が示唆された。これは、コレステロール低下作用と血栓生成の抑制効果によるものだ。
抗炎症作用
プテロスチルベンが抗炎症効果をもつ可能性を示唆する研究結果が出ている。この植物性化学物質は、リポポリサッカライドにより活性化された血中細胞からのプロスタグランジンE2産生を抑制する。プロスタグランジンE2は炎症を惹起するサイトカインとして知られている。
脳細胞の若返り効果
プテロスチルベンがもつ抗酸化作用と抗炎症作用は、脳細胞の健康に良い効果をもたらす。複数の成人に対する研究で、プテロスチルベンが運動機能や認知機能を改善することが示されている。
抗肥満作用
動物実験では、プテロスチルベンが抗肥満作用を有することが示されている。これは、脂肪組織における脂肪合成低下と肝臓における脂肪酸酸化の増加という2つの作用を通して、プテロスチルベンが体脂肪を減少させるためであると考えられている。