食品中AGEsは悪か?

食品中AGEsは悪か?

・食品中AGEsを「悪」と結論する報告がいくつかなされている一方で、食品の加熱料理に伴って生成するメラノイジンは、生体に「善」と結論する報告が多い。

・日本は、味噌、醤油などAGEs/メラノイジン含量が豊富な食文化を持ちながら、世界有数の長寿国である。

・食品に含まれるAGEs含量、AGEsが生体に作用する経路、疫学的調査など検討する必要がある。

[参考文献]
アンチエイジング医学 2018 Vol.14 No.5

過去15年程は、食品中AGEsを「悪」と結論する報告がいくつかなされている。Stirbanら(1)は、230℃,20分で調整した食品を高AGEs含量食とし、血管内皮機能に影響を及ぼすことを報告している。一方、食品の加熱料理に伴ってメイラード反応から生成する縮合物はメラノイジンともいわれているが、歴史的にはメラノイジンは生体に「善」と結論する報告が多い。Foglianoら(2)は、メイラード反応を受けたタンパク質は消化性が低下し、食物繊維様作用を示し、善玉菌の繁殖を高めることを報告している。Hommaら(3)は、メラノイジンは金属キレート能を有し、脂質の酸化反応を抑制することを報告している。メラノイジンの香気および抗酸化能を根拠に、イタリアで販売されているコーヒーのラベルには抗酸化物質としてメラノイジンの含量が意図的に記載されている場合もある。

一昔前、焼き魚に含まれるヘテロサイクリックアミンが発ガン性物質として取り上げられ、「魚はアルミホイルに包んで調理すべき」と周知された。しかし、その後、焼き魚中のヘテロサイクリックアミンはごくわずかであり、今では焼き魚の発がんリスクはほとんど問題視されていない。

味噌、醤油、ソースなど、AGEs/メラノイジン含量が豊富な食品を日々摂取しているわが国は、世界有数の長寿国である事実から、食品中AGEsを悪と結論づけるのは慎重に行うべきである。その善悪は、通常の食品に含まれるAGEs含量や如何なるAGEs構造がどの様な経路を介して生体に作用を示すか、さらに疫学的な結果も含めて検討する必要がある。

(1)Stirban A, Negrean M, Stratmann B, et al. Benfotiamine prevents macro- and micro vascular endothelial dysfunction and oxidative stress following a meal rich in advanced glycation end products in individuals with type 2 diabetes. Diabetes Care. 2006 ; 29 : 2064-71.

(2)Borrelli RC, Esposito F, Napolitano A, et al. Characterization of a new potential functional ingredient: coffee siverskin. J Agric Food Chem. 2004 ; 52 : 1338-43.

(3)本間清一. メラノイジンに関する食品科学的研究. 日本栄養食料学会誌. 2005 ; 58 : 85-98.

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