糖化とAGEsの生体に及ぼす影響

糖化とAGEsの生体に及ぼす影響


・糖化とは、還元糖(グルコースやフルクトース)の有するカルボニル基が、アミノ酸、タンパク質などがもつアミノ基と非酵素的に反応すること。

・糖化で生成されたものが、酸化・脱水・縮合などを起こして、様々な構造を有するAdvanced Glycation Endproducts(AGEs)が生成される。

・体にストレスを与える生活習慣が継続すると、生体タンパク質へのAGEs蓄積が亢進する。

・蓄積したAGEsが、血管内皮細胞などに発現するRAGE(Receptor for AGEs)に認識され、炎症反応を惹起する。

[参考文献]
アンチエイジング医学 2018 Vol.14 No.5

最近、医学分野のみならず、生活習慣病の予防、機能性食品、アンチエイジングなどの広い分野で、糖化という言葉を頻繁にみかけるようになった。本反応は、還元糖(グルコースやフルクトース)の有するカルボニル基がアミノ酸、タンパク質などがもつアミノ基と非酵素的に反応して褐色色素を生成する反応と同じであり、特に食品科学の分野ではメイラード反応と呼ばれている。実は糖尿病患者の血糖コントロールマーカーとして世界的に測定されているヘモグロビンA1cやグリコアルブミンは、ヘモグロビンやアルブミンタンパク質にグルコース結合した本反応の前期生成物であり、すでに医学的に活用されている。

本反応は大まかに、メイラード反応と同様の反応である前期反応と、その後、酸化・脱水・縮合などによって進行する後期反応に分けられる。後期反応により、さまざまな構造を有するAdvanced Glycation Endproducts (AGEs)が生成される。。AGEsには多くの物質があり、アクリルアミドのような有害物質もあれば、抗酸化物質のメラノイジンや、方向を高める成分もある。食品中にも糖化生成物が含まれるが、それらがすべて悪というわけではなく、日本人はむしろ味噌や醤油を製造するにあたり、糖化の良い面を活用しているのである。本反応は複雑であるが、褐色の食品成分をすべてAGEsと勘違いしていらぬ混乱を招かないように、どのような種類のAGEsがあり、構造、性質、測定方法を一つ一つ確立していくことも大切である。

生体でも糖化反応は後期まで進行することがわかっている。これまで、生体AGEsは主にグルコースから比較的ゆっくりと進行する反応と考えられてきた。しかし、解糖経路、炎症反応、脂質過酸化反応などから生成するさまざまなカルボニル化合物によって、短期的に生体タンパク質がAGEs化し、変性する経路が明らかとなっている。体にストレスを与える生活習慣が継続すると、生体タンパク質へのAGEs蓄積が亢進する。その後、タンパク質の代謝に伴ってAGEsも徐々に排泄されると考えられているが、生体にはAGEsを認識する受容体であるRAGE(Receptor for AGEs)も存在しており、AGEs蓄積がきっかけとなって炎症反応がさらに進行する原因にもなることが報告されている(1)。つまり、生活習慣病などで蓄積が促進したAGEsが、血管内皮細胞などに発現するRAGEに認識され、炎症反応を惹起する。その結果、酸化・炎症反応によってAGEsの生成はさらに促進される悪循環が起こると考えられる。このように、血管に持続的な炎症を誘発することによって、個体の老化を促進する因子となる可能性が高まっている。

(1)Yamamoto Y, Yamamoto H. RAGE-Mediated Inflammation, Type2 Diabetes, and Diabetic Vascular Complication. Front Endocrinol. 2013 ; 4 :105

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