今注目のキャピキシル配合育毛剤の効果は?女性にも効く?エビデンスとおすすめできる育毛剤

今注目のキャピキシル配合育毛剤の効果は?女性にも効く?エビデンスとおすすめできる育毛剤

30人のアンドロゲン性脱毛症患者を対象にした実験によると、1日1回5%キャピキシルを頭皮に塗布することで、成長期の毛髪を増やし、毛髪密度を増加させた。

また、7日間のヒト毛包培養実験の結果、コントロール群と比較した毛髪の伸長率は、ミノキシジル投与群で+52%だったのに対し、アセチルテトラペプチド投与群はその3倍の+156%となった。

アンドロゲン性脱毛症は、全脱毛症の95%を占めると言われており、男性のみならず女性、特に40歳以上の女性の50%程度に影響を及ぼしている。

以上より、キャピキシルは男女問わず、育毛効果が望めると考えられる。一方で、新しい成分のため、ヒトにおいて十分信頼できるエビデンスを有しておらず、さらなる臨床試験が必要とされる。

本文中より

最近よく広告をみるようになったキャピキシル配合育毛剤。よく知られている育毛成分であるミノキシジルの3倍の効果を有すると宣伝されています。しかし、育毛剤の広告では効果を誇張して書いてあるものも見受けられます。本記事は、キャピキシルを初めて聞く人・効果のエビデンスをより深く知りたい人に向けて情報をまとめました。根拠となる情報は、キャピキシルを開発したLUCAS MEYER COSMETICS社の技術ファイル(英語版)を主に参考にしております。

LUCAS MEYER COSMETICS社は、International Flavors & Fragrances Inc.(IFF)という国際的な企業の子会社であり、化粧品やパーソナルケア製品産業において革新的な原料を開発・製造・販売しています。

キャピキシルとは

キャピキシルとは、「アセチルテトラペプチド-3」という4つのアミノ酸から構成される生体模倣ペプチドと、ビオカニンAを豊富に含む「アカツメクサ花抽出液」の配合成分です。キャピキシルの有効性は、この2つの成分の効果に基づいています。

アセチルテトラペプチド-3

特許取得済の独特なペプチド分子で、細胞外マトリックスタンパク質を刺激し、毛髪の固定を強化する。このペプチドは、生体内にあるシグナル伝達ペプチドを模倣しており、これは創傷治癒の初期段階のあとに、組織の保護や再構築を促進する役割をもつ。この再構築シグナルが毛包のサイズを大きくし、発毛・育毛へつながると考えられている。

アカツメクサ花抽出液

アカツメクサ(学名Trifolium Pretense)は、中央~北ヨーロッパとアジアに分布しています。喘息やガン、痛風、湿疹や乾癬のような様々な炎症性皮膚疾患に対して、伝統的にもちいられてきた。

ビオカニンA

アカツメクサ花抽出液に含まれる主なイソフラボン成分。5α還元酵素タイプⅠ&Ⅱの活性を阻害する効果で知られている。

脱毛の原因

脱毛の原因は、完全に解明されている訳ではないですが、様々な要因がわかってきています。

具体的には、遺伝的要因であったり、ホルモンの変化(出産、更年期)、栄養不足(ビタミンやミネラル)、ストレス、糖尿病や自己免疫疾患、薬剤、不適切な髪の処理(スタイル剤、過度のブラッシング、毛染め、ブリーチ)、老化などです。

しかし、悩ましい脱毛のほとんどの原因はアンドロゲン性脱毛症(AGA)です。50歳未満の男性の約50%、閉経前女性の約15%が、ある程度はAGAの影響をうけます。男性では、頭頂か外側からはげていき、女性は全体的に毛がうすくなってきますが頭髪の前線は後退しにくいです。

AGAおよび加齢が、脱毛につながる主なメカニズムは以下の3つです。

①DHTと5α還元酵素の働き

AGAは、アンドロゲンと呼ばれるホルモン、その中でも特にテストステロンとそれに似たジヒドロテストロン(DHT)が大きく関係しています。DHTは、5α還元酵素によってテストステロンから合成されます。

DHTは発毛サイクルの成長期(anagen phase)を短くし、休止期(telogen phase)を長くします。また、毛包を小さくする作用があり、毛を小さく細くして最終的に無くしてしまいます。

脱毛症の人は、5α還元酵素・DHT・アンドロゲン受容体のレベルが高いことが知られています。

②真皮組織と細胞外マトリックスの機能障害

毛包が埋まっている真皮組織(真皮乳頭)には、非常に活発な細胞グループが存在していて、毛髪の元となる線維をつくりだしています。毛包の大きさは、この真皮乳頭の容量によって定められ、その容量は真皮乳頭を構成する細胞の数と細胞外マトリックスのボリュームに依存するのです。

真皮乳頭の細胞は、フィブロネクチンやコラーゲンタイプⅠ・タイプⅢのような大量のマトリックスタンパク質を産生します。この活動が皮膚の修復や毛包サイズの増大に関係しているのです。

加えて、ラミニンやコラーゲンタイプⅦといった毛髪を毛包周囲に固定するタンパク質を生成して、毛髪を毛包周囲の組織に固定する役割をはたします。

AGAでは、細胞外マトリックスや毛包、真皮乳頭の細胞が小さくなることが知られており、毛包が小さく毛髪が細くなることで、最終的に毛が生えなくなってしまうのです。

③炎症

毛包における慢性炎症もAGAを引き起こす病態の一因だと考えられています。炎症を引き起こす原因としては、熱や摩擦、紫外線、頭皮のマイクロフローラ(細菌叢)などが関係していると言われています。

キャピキシルが効果を発揮するメカニズム

実験により明らかにされたキャピキシルの効果は3つあります。

  • 5-α還元酵素の活性を抑制し、テストステロンからDHTへの変換阻害

    →毛包の小型化を防止
  • 炎症性サイトカインを誘導するIL-8を減少させる

    →毛髪サイクルの改善
  • 毛包を囲む真皮の細胞外マトリックスの代謝を改善

    →毛包のサイズ増大と毛髪の固定力アップ

このように、キャピキシルは、脱毛のサイクルを改善し、毛髪の成長を刺激します。

また、これらの効果が発揮されるためのキャピキシル配合濃度は、育毛強化を目指す場合5%、脱毛予防効果を得ようとする場合0.5-2.5%が推奨されています。

ヒトの細胞や皮膚片を用いた培養実験

○アセチルテトラペプチドを用いた実験
(効果%はコントロール群との比較)

7日間のヒト線維芽細胞培養実験で、毛包の固定に重要なコラーゲン成分の合成が35%増加。

3日間のヒト線維芽細胞培養実験で、真皮の細胞外マトリックス蛋白成分であるタイプⅢコラーゲンとラミニン成分の合成がそれぞれ65%, 285%増加。

8日間のヒト毛包培養実験で、毛髪の伸長が35%増加。

7日間のヒト毛包培養実験で、コントロール群の毛髪の伸びと比較し、ミノキシジル投与群は+52%の伸長であったのに対し、アセチルテトラペプチド投与群はその3倍の+156%も伸長していた。

○ビオカニンAを用いた実験
(効果%はコントロール群との比較)

3時間の細胞培養実験で、5-α還元酵素タイプ1とタイプ2の活性をそれぞれ64%, 93%低下させた。

○キャピキシルを用いた実験
(効果%はコントロール群との比較)

24時間のヒト線維芽細胞培養実験で、炎症性サイトカインIL-8の産生をキャピキシル0.5%群及び1%群でそれぞれ33%, 48%低下させた。

ヒトでの臨床研究

用いた成分:

キャピキシルローション(5%キャピキシル、20%アルコール、75%水)、プラセボローション(20%アルコール、80%水)

使用方法:

1日1回夜間にローション20滴を頭皮に塗布し指先で広げた。

使用期間:

4ヶ月

研究対象:

アンドロゲン性脱毛症の健常者30人(平均年齢46歳)

効果の測定方法:

①毛髪の成長フェーズの比率(anagen/telogen比) ②毛髪の密度

*Anagenとは、毛髪の成長期のことであり、このフェーズは2-6年間継続する。Telogenとは、休止期のことであり、毛髪が抜けて次の新しい毛髪がAnagenに入るまでの期間である。Telogenは、約100日間続く。

結果:

プラセボ群のA/T比が33%低下していたのに対し、キャピキシル群ではA/T比が46%増加していた。anagen/telogen比(A/T比)が高いほど毛髪の成長が活発であり、A/T比が低いと成長が低いとされる。

②毛髪密度を測定した結果、プラセボ群と比較してキャピキシル群では明らかに毛髪密度が増加していた。

まとめ

キャピキシルを開発した会社による研究報告によると、キャピキシルが脱毛症、特にアンドロゲン性脱毛症に対して有効であると考えられます。

作用機序は、5α還元酵素阻害効果・毛髪の土台となる真皮乳頭・細胞外マトリックスへの効果・炎症抑制効果の3つが主なメカニズムであるようです。

キャピキシルと比較した育毛効果については、7日間のヒト毛包培養実験における毛髪の伸長率を比べたものであり、実際に頭皮に与える影響を比較したものではないため、“ミノキシジルの3倍の効果”という数字の科学的な信頼性は高くありません

臨床試験により確認された育毛効果を得るためには、5%キャピキシルを1日1回夜間に頭皮へ塗ることを4ヶ月継続することで実感できる可能性がある。一方で、この実験は30人という限られた人数で行われたものであり、対象をアンドロゲン性脱毛症の人としているため、育毛効果は万人が体感できるわけではないことを念頭におくべきです。

今後、さらなる大規模臨床研究の進展を期待しています。

キャピキシル配合のおすすめ商品

公開されている臨床研究から、キャピキシルの効果が期待できそうな商品を探してみました。選ぶ上での条件は、

  • 塗布する育毛剤であること(シャンプー等の研究報告はないため)
  • キャピキシル配合濃度が5%以上であること

です。それでは、おすすめのキャピキシル配合育毛剤を2つ紹介します。

キャピキシル配合スカルプエッセンス【Growth Project BOSTON スカルプエッセンス】

医療・美容の専門医学誌「先端医療と健康美容」に、BOSTONスカルプエッセンスのエビデンスデータが掲載されました。2015年11月30日発行版において、12ページから頭皮用化粧品の育毛効果という題名で紹介されているようです。キャピキシルが5%濃度で配合されているのに加え、ミノキシジル誘導体である”ピディオキシジル”、ノーベル賞受賞の成分であるフラーレンも配合されています。

BOSTONのスカルプエッセンス

キャピキシル7%配合 【バイタルウェーブスカルプローション】

キャピキシルが業界トップクラスの7%も配合されています。7%濃度キャピキシルを用いた臨床研究は見当たりませんでしたが、5%濃度を試して効果が薄いと感じた方は、試してみても良いかもしれません。また、スカルプケア成分として注目されている”リンデシル”も配合しているようです。リンデシルは18-70歳の男性26名を対象とした臨床試験において、約2ヶ月間で毛髪の成長率を9%増加させました。

バイタルウェーブ スカルプローション

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