人気ダイエットサプリ”シュガリミット”は効果ある? 糖質活用サプリの科学的根拠

人気ダイエットサプリ”シュガリミット”は効果ある? 糖質活用サプリの科学的根拠

“シュガリミット”の主な有効成分である甘藷若葉(すいおう)は、ラットによる研究でGLP-1分泌促進作用がみられているが、ヒトでの研究結果は見つからなかった。GLP-1は海外で抗肥満薬として承認を受けており、大規模研究で肥満者に対する5%以上の体重減少効果を示している。一方で、BMI値25以下の健常人における影響は不明である。

シュガリミットとは?



糖質活用サプリと宣伝され人気を博している”シュガリミット”。糖質をうまく活用することで、ダイエットにつなげることを主な目的としています。基礎代謝の約40%が筋肉により消費されると言われており、糖質を筋肉に取り入れうまく活用することで、食事制限のような我慢をせずにダイエットをサポートします。シュガリミットの特徴として、GLP-1分泌促進による糖質活用効果が挙げられており、このGLP-1と呼ばれるホルモンは筋肉に糖を送り込む効果があります。

本記事では、i)シュガリミットの主成分である甘藷若葉粉末(すいおう)の研究、ii)GLP-1の痩せホルモンとしての効果を検証しています。

シュガリミット成分
甘藷若葉粉末(すいおう)、麦芽糖、セレン含有酵母、スピルリナ粉末、バナバ葉抽出物、黒胡椒エキス末、HMBCa、クレアチニン/セルロース、二酸化ケイ素、ナイアシン、ショ糖脂肪酸エステル、パントテン酸Ca、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物

甘藷若葉(すいおう)とは

甘藷若葉とは、サツマイモの葉・茎・葉柄の部分を指し、ポリフェノール(カフェ酸誘導体)やルテイン、ビタミン類、ミネラル類が豊富に含まれています。ただ、甘藷若葉はそのえぐ味や青臭さから、日常の食材として用いられてきませんでした。

「すいおう」は、健康に良いと言われながらも敬遠されてきたこの甘藷若葉を、食べやすく改良した品種のことです。

ダイエットに関係する甘藷若葉の研究

①GLP-1分泌促進作用

2014年に発表された研究で、in vitroの細胞実験及びラットを用いた研究で、甘藷若葉に含まれる成分がGLP-1分泌を促進すると報告されています。本論文の全文を確認することはできませんでしたが、Abstract(要約)によると、ラットの実験では、食事前に甘藷若葉抽出物粉末を投与することで、GLP-1の分泌が刺激され、インスリン分泌能が向上し、血糖上昇が抑制されたと述べられています。この効果をもたらすと考えられている有効成分がカフェ酸誘導体(特に3,4,5-トリカフェオイルキナ酸)です。

②血糖値上昇抑制作用

食事とともにすいおう加工食品を食べた場合に、食後の血糖値の上昇を抑制する作用が臨床試験により明らかにされ、学会などで話題になりました。しかし、結果をみてみると高血糖患者に対する食後血糖最高値を10mg/dl抑制する程度で、ダイエットへの影響は小さいと考えられます。

③肝脂肪蓄積抑制作用

「すいおう」粉末を餌に混ぜて動物に与えた場合に、肝臓中の総コレステロールや中性脂肪が抑えられることが学会等で発表されました。 こちらは、肝臓に蓄積されるコレステロールがほぼ半減、及び中性脂肪も20%近く減少しているため、脂肪肝に良い効果をもたらす可能性を示唆しています。

*その他ダイエット以外の効果

美白作用(メラニン生成抑制作用)、骨粗鬆症改善作用、抗酸化作用、血圧上昇抑制作用…「すいおう」粉末を餌に混ぜて高血圧モデル動物に与えた場合に、食後の血圧の上昇が用量依存的に抑制され、20mmHg以上もの血圧低下効果を示したとの報告があります。 

GLP-1とは

GLP-1は、ヒトが食事をした際に小腸でつくられるホルモンです。膵臓のインスリン分泌を刺激し、血糖値の上昇を抑制します。体の外からこのGLP-1を補う方法として、GLP-1受容体作動薬という薬があり、日本では2型糖尿病の治療に用いられています。

GLP-1が「痩せホルモン」といわれる科学的根拠

GLP-1のダイエットに役立つ効果は2つあります。

①消化管の動きを遅くし、胃が空になるのを遅らせる。
②消化管内の食物残渣に関わらず満足感を高め、ヒトの食欲を抑制する。

これらの理由から、GLP-1は消化管と中枢神経系の両方に影響を与えることで、食欲を抑える効果をもちます。加えて、食後の血糖上昇抑制効果をもつことから、世界中で2型糖尿病の治療薬として用いられているのです。

また、2014年12月に米国で抗肥満薬として承認されたGLP-1受容体作動薬リラグルチド(日本では、糖尿病薬ビクトーザとして販売)を用いた大規模なランダム化二重盲検試験において、この薬は非糖尿病肥満者の体重を5%以上減少させました。体重減少効果は、リラグルチドを投与した全患者のうち63.2%に見られています。

最新の研究では、GLP-1にはインスリン分泌促進以外にも、脂肪分解や脂肪肝の減少を促進したり、心機能を保護したりする効果がみられています。また、骨格筋における筋組織の血流増加やGLUT4の発現増加を促し、脂肪異化は促進するものの筋肉異化は起こしません。これより、「脂肪は落としたいけど筋肉は維持させたい患者に対しても効果がある」と考えられています。

https://www.dm-town.com/glp1/nattoku/karada.htmlより転載

GLP-1は糖質を活用する?

ここで、問題となってくるのがインスリン分泌促進効果です。インスリンは糖を細胞内に取り込む働きをもちます。シュガリミットがうたう「糖質活用」という言葉は、このインスリンの効果を示していると考えられます。しかし、細胞内に取り込まれた糖は、消費されなければ脂肪へと変換されてしまい、逆に肥満へとつながることもあります。そのため、糖質を活用するためには、サプリメント摂取とともに運動を行うことが必要条件となってくるのです。されに、十分なインスリン分泌能を有する健常人において、GLP-1の補充がさらにインスリン分泌能を高めるという研究は見当たりませんでした。そのため、シュガリミット摂取により仮にGLP-1を高めることができたとしても、インスリン分泌が増加し、糖質を十分に活用するための条件が整うとは限らないのです。

また、摂取方法にも違いがあります。抗肥満効果がみられているGLP-1受容体作動薬は原則として皮下注射による投与であり、サプリメントのような経口投与で十分なGLP-1上昇がみられるかは不明です。現在、GLP-1作動薬の内服薬が開発されていますが、こちらには吸収促進のための成分が添加されています。

GLP-1の副作用

GLP-1受容体作動薬の副作用として、低血糖や膵炎、胃腸障害、腸閉塞などがあり、用量・用法を守って使用しなければいけません。

アメリカの食品医薬品局(通称:FDA)を含め、抗肥満薬として世界で承認されているGLP-1受容体作動薬ですが、処方には医師による診断が必要であり、BMI値30以上の高度肥満患者及び、高血圧・糖尿病・脂質異常症などのリスクを有するBMI値27以上の肥満患者に限って処方が許可されています。これは、研究が上記のような肥満患者に対してしか行われていないという理由と、副作用への懸念があり乱用を防ぐためであります。

結論

“シュガリミット”が主張する、GLP-1を介した糖質活用サプリとしての効果が発揮するためには、ヒトでの実験で確認されていない部分や運動を行うといった条件があります。しかし、主張に対する科学的なエビデンスが全く無い訳ではなく、今後の研究結果が期待されます。また、シュガリミットには、HMB、クレアチニンといった他のダイエット成分も含まれており、サプリメント全体としての効果は未知数です。

補足ですが、ある研究ではGLP-1分泌を促進する食事として、甘藷若葉とウコンの2つで望ましい結果が得られているようです。

”シュガリミット”の摂取を考えている方は、確実な効果が期待できる訳ではないことを理解しながら、健康に注意して、自分に合うかどうか試してみるのが良いでしょう。

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